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執筆者の写真BodyDesignWorks

現代人の『食欲の仕組み』はズレている

更新日:2023年9月17日

今回は『食欲の仕組み』について考えます。


私たちの食欲には2種類あり、生きるために必要となる食欲は「生命を維持するための食欲」で、脂肪がある程度蓄えられている状態を保つために、空腹になると食欲が高まり、満腹になると食欲が減るように作用しています。これが本来の食欲です。

もう一つは、生命維持の食欲を超えて「美味しいからもっと食べたい」という食欲「嗜好性の食欲」です。これがオーバーエネルギーとなり、脂肪の蓄積に繋がります。

上記のように、食欲には「生命維持のための食欲」と「嗜好性の食欲」があります。

生命維持のための食欲は脳の間脳にある「視床下部」が制御しています。視床下部は体温や血圧、ホルモンや睡眠など身体の状態を一定に保つ、恒常性を維持する役割を果たしています。それに対し、嗜好性の食欲は「報酬系」という脳機構が制御しています。



レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、脂肪が増えた、減ったという情報を生命維持のための食欲を司る視床下部に伝えています。レプチンは脂肪細胞の大きさが変わることで分泌量が増減します。習慣的に過食を繰り返していると、脂肪細胞からレプチンが分泌されても視床下部にその情報が伝わりにくくなります。これを「レプチン抵抗性」といいます。そうなると、空腹で食欲が高まり、満腹になると食欲が減るという仕組みが正常に働かなくなります。


それに加えて、過食を繰り返していると「嗜好性の食欲」も異常をきたします。

糖質や脂質が豊富な食品を食べると、脳内でβエンドルフィンが分泌され「美味しい」という快感が与えられます。この快感情報が中脳に送られ、ドーパミン作動性ニューロンが興奮し、ドーパミンが放出されます。これにより「美味しい」という快感を得た行動(糖質や脂質が豊富な食品を食べる)が強化されます。このように報酬によってその行動が強化される仕組みを「報酬系」といいます。

報酬系によってその行動が強化されると、次にケーキやポテチを見た時に美味しいという快感(報酬)を得たくなり、満腹でも「もっと食べたい」という嗜好性の食欲が湧いてきます。


この2つの食欲をいかにコントロールするかが、ダイエットはもちろん、太りにくい体作りに不可欠になります。


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