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運動のエネルギー

すべての運動は、筋が収縮することによって行われます。しかし、筋収縮のエネルギー源となるのは、我々が口から摂った食べ物が直接、糖質や脂質、タンパク質の形で使われるのではなく、アデノシン三リン酸(ATP)という物質の分解による化学的エネルギーが必要になります。


車の場合はガソリンを給油しないとガス欠を起こしますが、ヒトの場合は、運動時にATPを消費する一方、同時に体内で再合成を行っています。そこで必要となるのが、口から摂取した栄養素です。


元々、筋に貯蔵されているATPの量は非常に少ないため、すぐに使い果たしてしまいます。しかし、使い果たしてしまうと活動ができなくなるため、作り出すこと(再合成)が必要になります。

その再合成を行うためのエネルギー供給系は3つあります。

一つ目はATPとクレアチンリン酸(PCr)の分解(ATP₋PCr系)、二つ目はグリコーゲン、グルコースの分解(解糖系)、三つめは脂肪、糖質の有酸素的分解(有酸素系)です。

ATP₋PCr系と解糖系はATPを再合成する際に酸素の必要がないことから無酸素性と言えます。

ATP-PCr系では、高強度・短時間の運動の主要なエネルギー供給系となり、7秒程度の持続時間になります。解糖系は33秒程度の運動の主要なエネルギー供給系となり、無酸素的には40秒程度の運動持続時間になります。それ以降、主要なエネルギー供給系は有酸素系にシフトしていきます。行う運動の強度と時間により、どのエネルギー供給系が主として働くかが決まります。ハイブリットカーのようですね。

上記のことから、求めるトレーニング目的により、運動強度と運動時間を適切に設定する必要があります。

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