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予測により運動パフォーマンスが制限される?

前回は、運動するときに終了時点の状態が不確定なので、身体は無意識に動員される筋量やエネルギー代謝の「リザーブ(予備)」をすることで、ホメオスタシス(恒常性)に大きな破綻を起こすことなく運動を終了時点まで遂行することができ、運動終了が近づくにつれて終了時点の不確定さが減るので、より大きなスピードはパワーを発揮し、ラストスパートをかけることが出来るということを取り上げました。


経験されたことがあると思いますが、全力を出していたつもりでも、最後にスピードを上げることが出来たりしますよね。意図的に手を抜いている場合は別ですが、自分が全力を出すようにしているにも関わらずというところがポイントです。


これは長時間運動(持久性運動)だけでみられるわけでなく、短時間高強度の運動でもみられます。


運動やスポーツでのゴールに向けた努力の配分と調整をペース戦略といいます。健康な人が運動した時に生理学的な機能が破綻するまで努力することは出来ません。

自己ペースで運動を行うときに、慣れていない運動や、どんな負担が掛かるかわからない運動は上手く調節を行うことができません。例えば高温多湿の環境でのトレーニングでは、無意識的に運動強度が下がります。これは実際に生理学的な変化が起こる前に(明らかな体温上昇など)起こります。

厳しい環境や状況での運動では、生理学的な身体の変化が起こる前に、運動強度を下げるようになる。これはペース調節が予測的に行われているということを表しています。


これから行う運動がどのようなものかを事前に知っていることや経験していることが、脳が最初の運動強度を適切に設定するために重要です。

そしてこのペース調整はトレーニングと経験によって向上することが明らかになっています。


始めての運動やトレーニングでは、実際にどのようなものかを脳が経験していないので、ペース配分がわからず、本来のパフォーマンスよりも低くなってしまう可能性が高いということです。

例えばマラソンなどが良い例だと思いますが、初めて走る距離や時間ではなかなかペースがわからずスローペースやオーバーペースになると思います。でもこれは計算して意図的にペース配分しているわけではないと思います。しかし、何度か繰り返すと徐々にペースがわかってきます。


最後に偽の情報を与えた研究をご紹介します。

運動実施者に最大速度の75%でトレッドミル上を走るように指示しました。1回目は20分続けるように、2回目は10分続けるように言われ、終了時点でもう10分続けるように、3回目は時間の指示なく、ただ走るように言われました。

1回目を基準とすると、2回目では、継続するように言われた10~11分の間に主観的な運動強度(どれだけしんどいと感じているか)は大きく上昇し、感情得点(どれだけ楽しく行なっているか)が大きく低下しました。また、3回目では、感情得点が下がり続けました。

やはり運動時間を知っていることは、適切に運動を制御するのに非常に重要であるということです。


前回・今回と運動パフォーマンスに大きく影響する要因について、運動への予測がパフォーマンスに大きく関係するということを取り上げました。

これから行う運動について事前に知らせずに行わせることや事前に予定していた内容を実施途中に伝えたりする手法は良く用いられます。それが運動パフォーマンスという視点で見るとどうかは検討する必要がありそうですね。


パーソナルトレーニングにご興味のある方は是非、堺のBodyDesignWorksにお越しください。ご利用いただきやすい体験トレーニングもご用意しています。

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