理想とする身体づくりのためにはタンパク質の摂取が大切です。
今回は、そのタンパク質の上手な摂取方法についてまとめました。
まず、一般成人のPFCバランス(PFC比率)とは、P(たんぱく質:タンパク質)、F(脂肪:脂質)、C(炭水化物:炭水化物)の3つの栄養素が占める割合を言います。PFCバランスは、個人の目標(体重管理、筋肉増量、減量など)、活動レベル、年齢、状況によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
一般成人のPFCバランスの目安
タンパク質 : 15〜20%
脂質:20〜30%
炭水化物 : 50〜65%
具体的な割合
P(タンパク質) : 全エネルギー摂取量の15〜20%を目安とします。
体重1kgあたり1.0〜2.0gのタンパク質摂取が推奨されていますが、運動量や目的によって変わります。
F(脂質) : 全エネルギー摂取量の20〜30%が理想です。
不飽和脂肪酸を含む良質な脂肪(オリーブオイル、ナッツ、魚など)を選ぶことが重要です。
C(炭水化物) : 全エネルギー摂取量の50〜65%を目安に摂取します。
食物繊維が豊富な全粒粉や野菜、果物からの摂取が推奨されます。
1日あたりのカロリー摂取量
例:1日に2000kcalを摂取する場合、PFCバランスは以下のように計算できます。
タンパク質:
15%の場合:2000kcal × 0.15 = 300kcal → タンパク質は300kcal ÷ 4kcal/g = 75g
20%の場合:2000kcal × 0.20 = 400kcal → タンパク質は400kcal ÷ 4kcal/g = 100g
脂質:
20%の場合:2000kcal × 0.20 = 400kcal → 脂質は400kcal ÷ 9kcal/g = 約44g
30%の場合:2000kcal × 0.30 = 600kcal → 脂質は600kcal ÷ 9kcal/g = 約67g
炭水化物:
50%の場合:2000kcal × 0.50 = 1000kcal → 炭水化物は1000kcal ÷ 4kcal/g = 250g
65%の場合:2000kcal × 0.65 = 1300kcal → 炭水化物は1300kcal ÷ 4kcal/g = 325g
1日に占めるタンパク質・脂質・炭水化物の割合は、どうしても炭水化物が多くなり、タンパク質の割合は少なくなりがちです。でも身体づくりやシェイプアップのためにはどのようにしてタンパク質の摂取量を増やすか(割合を増やすか)が重要です。
1食あたりのタンパク質の吸収量には個人差があり、科学的に明確な上限は定められていなませんが、一般的には一度に体が効率的に利用できるタンパク質量は20〜30g程度とされています。
吸収量に関する一般的な考え方
20〜30gが目安:多くの研究によると、1食あたり20〜30gのタンパク質を摂取すると、筋肉の合成が最大限に活性化されることがわかっています。
吸収率はさまざまな制約で変わる
体がタンパク質をどの程度効率的に利用できるかは、以下によっても変わります。
運動状況:トレーニング直後はタンパク質の必要量が多いため、多めに買ったタンパク質も効率的に利用されやすくなります。
年齢:加齢に伴い、タンパク質の必要性が高まるため、特に高齢者ではより多くのタンパク質が必要です。
食事頻度と摂取量:1日の総タンパク質量を2〜4回に分けて摂ると、筋肉の合成が促進されるという報告もあります。
そこで、普段よく活用するコンビニで、手軽に購入できるタンパク質が豊富な商品をピックアップしました。トレーニングの後や、忙しいときの間に食事に適したものをいくつかご紹介します。
1. ゆで卵
特徴:タンパク質が豊富で、カロリーが低め。1個あたり約6gのタンパク質が含まれています。
おすすめポイント:手軽に食べられ、塩をかけるだけで満足感が得られます。
2. サラダチキン
特徴:コンビニのタンパク源として定番で、1袋(100g程度)あたり約20gのタンパク質が含まれています。
おすすめポイント:プレーン、ハーブ、スモークなど味のバリエーションが豊富で、サラダにトッピングするのもおすすめです。
3. ギリシャヨーグルト
特徴:タンパク質が豊富で、低脂肪のものが多いです。1カップで約10gのタンパク質が摂取できます。
おすすめポイント:無糖タイプを選ぶことで、砂糖を気にせずにタンパク質を補給できます。
4. チーズ(スティックチーズやベビーチーズ)
特徴:スティックタイプや小分けになっているものが多く、1個あたり約5gのタンパク質。
おすすめポイント: 脂肪も含まれますが、少量で満足感が得られるので間食やおつまみにもぴったりです。
5. プロテインバー
特徴:1本あたり10〜20gのタンパク質が含まれているものが多く、手軽に食べられます。
おすすめポイント:種類が豊富で、チョコレート味やナッツ味など、甘いものが食べたいときにもおすすめです。
6. 納豆
特徴:1パック(約50g)で約8gのタンパク質が含まれており、大豆イソフラボンも摂取できます。
おすすめポイント:夜食やご飯にプラスするのもおすすめ。発酵食品として腸内環境を整える効果も期待できます。
7. ツナ缶(オイル不使用)
特徴:1缶あたり約15gのタンパク質が含まれており、低脂肪でカロリー控えめのものが多いです。
おすすめポイント: そのまま食べるのはもちろん、サラダをかけたり、おにぎりに加えても美味しく食べられます。
8. 高タンパク質スナック(大豆チップやプロテインチップス)
特徴:コンビニによって、タンパク質が強化されたスナックがございます。1袋で約10〜15gのタンパク質。
おすすめポイント:スナック菓子感覚で楽しめるため、軽いおやつにぴったり。高タンパク・低糖質なものを選ぶと良いです。
9. ローストビーフや生ハム
特徴:加工肉の中でも比較的カロリーが低く、タンパク質が豊富です。1パックあたり約10gのタンパク質。
おすすめポイント: サラダのトッピングやそのままおつまみとして手軽に摂取できるので、タンパク質補給に便利です。
10. 豆乳
特徴:200mlあたり約7gのタンパク質。植物性のタンパク質で、イソフラボンも豊富です。
おすすめポイント: 飲みやすく、低カロリーの無調整豆乳を選び、脂肪分を抑えながらタンパク質が摂取できます。
ただし、摂取しすぎたタンパク質は、体内で以下のように処理されるので注意が必要です。 基本的には、過剰なタンパク質は筋肉の合成や身体の修復などに使われないため、他のエネルギー源や代謝産物として処理されます。
1.エネルギー源として利用される
過剰なタンパク質の一部は、体内でエネルギー源として利用されます。 タンパク質が分解されるとアミノ酸になります、必要量を超えたアミノ酸は、グルコース(糖)や脂肪酸に変換され、エネルギー供給に利用されるか、脂肪として蓄えられることもあります。
2.尿として排出される
アミノ酸がエネルギー源として使われるとき、窒素分が不要な副産物として発生します。 この窒素はアンモニアとして血中に放出され、肝臓で尿素に変換されます。このため、タンパク質を摂り過ぎると肝臓と腎臓に負担がかかる可能性があります。
3.脂肪として蓄積される
タンパク質がエネルギーとして使われ、余剰エネルギーが生じた場合、余ったエネルギーは脂肪として蓄えられます。
4.腸内環境への影響
消化されなかったタンパク質が腸内に多く残ると、腸内で悪玉菌のエサとなり、腸内環境を悪化させることがあります。悪玉菌が増えると、腸内で有害物質が発生し、腸内環境の残念やガスがたまる原因になることもあります。
まとめ
正しい量のタンパク質は、筋肉の合成や身体の修復に役立ちますが、過剰に摂取すると、エネルギーとして使われたり、脂肪として蓄えられたりとマイナスに働くこともあります。適量を守り、1日の総タンパク質摂取量を複数回に分けて摂るのが理想とする身体づくりのためには大切です。上手くタンパク質を摂取し、自分の身体を理想とする形へ育てましょう!
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